
ニードルをあけて、チョークして…
さぁ、いよいよエンジンを始動するときがやってきました。“ガンコオヤジ”が手際よくニードルをあけ、チョークをします。
ニードルってのは、キャブレターで作られる混合気の濃さを調整する装置で、丸いツマミの先が「針」のような形をしてるんです。針は英語でニードル。だからこの装置はニードルって呼ばれるんですね。そして、これでエンジンの高速回転数を決めるんです。
それから「チョーク」ですけど…昔のクルマには付いてましたねえ、チョークレバー。寒い時なんかにこのレバーを引っ張って、ガソリンを多く流し、温まったら戻す…アレです。
この作業をラジコンでは「手」で行ないますが、これはカンタン! キャブレターの穴を指で塞いで、手でプロペラを2、3度回せばOK。この動作により、空気のかわりに燃料だけを吸い込むワケです。
|
続いてブースターをつなぎます。この「ブースター」ですけど、ラジコンのエンジンは、始動のときだけプラグに電気を流し、コイルを赤く発熱させて初期点火する方式っていうことは第5回で説明しましたよね。 だから最初は、電池の入った「ブースター」っていうものでプラグを発熱させるんです。 |
|
感動全開、エンジン始動!!
で、プロペラを勢いよくはたくと、いよいよエンジンがかかりました!
「ブイーーーーーンン!!」
かなり大きな音ですが、聴いてるとだんだん心地良くもなってきます。そして、エンジンの回転数が変わっていくのがはっきりとわかります。
“ガンコオヤジ”がニードルを回して最高回転を調整し、今度はアイドリング(一番回転が下がったところで、最スローともいう)の具合も見てくれます。最初の1回は、地上でこのまま回して「ブレークイン」を行ないます。
|
「ブレークイン」とは「慣らし運転」のこと。ブレーク、つまり“壊す”っていうのが語源なんですが、そのいきさつはわかりませーん。(あしからず) まぁ要するに、ここでは機械の当たりと馴染みをとるワケ。エンジンは機械加工でできているので、金属同志の馴染みをとることが重要なんです。このとき、エンジンの最高回転やアイドリングも調整しておくといいんです。 |
|
さあ、これでチェックとエンジン調整も終わりました。ちょっと一息つき、まま、コーヒーでも。みんなと話でもしてみましょう。好きなヒコーキと仲間たち…いいですねえ。
今度は、自分の先輩でもあるみんなのヒコーキをじーーーっと見てみる。うーん、カッコいい! いつになったらこんな本格的なのを飛ばすことができるのか…。
待ちに待った大空への初飛行!
|
少し落ちついたところで、もう一度燃料を入れて再度バッテリーのチェックをしておきます。そしてエンジンを始動し、“ガンコオヤジ”による初飛行です。さあ、ちゃんと飛ぶか!? |
|
ホンモノの飛行機と同じ手順で滑走路に向かい、離陸開始! だんだんスピードがつき、我が愛機は美しい直線を描いて、夢に見た大空へ!!

飛行教官の“ガンコオヤジ”がやけに頼もしく見えます。家族の白い目をよそに深夜まで接着剤と格闘しながら造った、我が愛機が大空にはばたいている、今この瞬間。夢の第1歩を実現できて嗚呼、感無量です。
視線を落として、ふと“ガンコオヤジ”の手元を見ると、なにやら“カリカリ”と細かなことをしています。
|
|
これは「トリム調整」といって、飛行機には製造誤差、組み立て時の誤差やそのヒコーキ特有の“クセ”があるんですが、それを取る作業なんです。つまり、プロポを手放した時でも、安定して水平飛行ができるようにしているワケ。こうしないと、ヒコーキが上がったり下がったり右に行ったり左に逸れたりしてしまいます。 実は、ホンモノの飛行機でも同じようにやってるんです。宣伝放送のセスナもジャンボジェットもまったくおんなじ。 |
|
まっすぐ飛ぶようになったら、ちょっと「ローパス」をしてくれました。「ローパス」とは低空飛行のこと。目の前を“夢”が駆け抜けていきます。ちょっと大きすぎかなと思ってたエンジン音も、聴くほどに素晴らしいサウンドですね。 |
|
オトナの夢は続くよ、どこまでも
そろそろ燃料も少なくなってきたようです。大体、1回のフライトは10分くらいなので、着陸体制に入ります。実はこの着陸がムズカシイ。
ホンモノの飛行機でも、着陸が最も難しく、事故や墜落の確率が高いんです。「クリチカル・イレブン・ミニッツ」って言って、離陸の3分と着陸の8分、合計11分が最も事故率が高いため、こう呼ばれています。
|
我が愛機が徐々に高度と速度を落とし、飛行場内に入ってきます。“ガンコオヤジ”はホントはホンモノの飛行機だって操縦できるんじゃ(?)って思えるくらいに上手く操縦してます。そして、何事も無かったようにスーっと着陸。 いやー感動しました! なんせ、自分の作ったヒコーキがホンモノとおなじく飛んだんですから!! |
|
|
|
今度は自分自身で飛ばせるように、“ガンコオヤジ”に教わりながら練習していこうと思います。まず離陸はオヤジがやってくれ、上空のちょっと高い所で交代してくれました。“ガンコオヤジ”が後ろについてくれてますから安心ですが、キンチョーしますね。 |
後ろからのアドバイス通りにアップ、右、左…。次々と的確に指示してくれますが、なかなか思うようには飛んでくれません。
おわーーっ、アブナイっ!!
下に向いちゃって、ちょっとパニックになりましたが、でも安心。オヤジがとっさに代わってくれますし、こういった練習機では、速度も遅く、一気に墜落しにくくなっています。
そして、『難しいけど、おもしろい!』。それがラジコン飛行機の楽しみであります。
これから当分の間、天気のいい日曜日には、ラジコン飛行機と格闘することになります。ちょっとずつ、ヒコーキの理論と実践で得た経験を取り入れて、みんなと一緒に飛行場に集まり、ワイワイガヤガヤとヒコーキ談義をしましょうか。
いい歳した大人が夢を持ち、いつまでも「少年の瞳」になれるのがラジコン飛行機です。さあ、長いラジコンライフのスタート。これからずっと大空を愛し、風と友達になりましょう。あなたの“夢”は、今始まったばかりです。
- エピローグ -
ラジコン飛行機を始めたい…という方に向け、このコーナーを書かせていただきました。長い間のご愛読を心よりお礼申しあげます。
ずっと書いていて、自分自身でもとても勉強になりました。どうしたらわかりやすく説明できるか、わかってもらえるか…。
まだまだ書き足りない部分や、説明不足のところもいっぱいありましたが、どうかお許しください。もし、こういったコーナーでよかったら、またまた登場してみたいと思いますので、このホームページ宛にメールをいただけたらと思います。
最後に、みなさんのラジコンへの憧れと情熱を心より応援しつつ、ペンを置きます。では、またお会いできるときを楽しみにしています。



















