
ラジコン飛行機を飛ばすために必要なモノ
目の前にはあこがれの「ラジコン飛行機」があります。大きな翼を広げ、アナタを大空へ誘っているのです!
思えば苦節ン日。仕事が終ってメシがすんだら、家族の白い目なんぞ気にせず、男のロマンに浸ってましたね(拍手)。あっちこっち、接着剤がくっついたり、間違えて切ったり、床を汚して怒られたりしましたね(合掌)。だけど“ラジコンひこーき”が自分の夢をかなえてくれるので苦労なんぞふっ飛びますっ! |
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完成した我が愛機。ウームかっこいい!!
これから先は、いよいよ「フライト」関連の話。
よーく考えてみるに、ラジコンヒコーキを飛ばすのでさえ結構奥が深いのに、ホンモノの飛行機が最初に飛んだ時は? 出来上がったら、そりゃ、キンチョーも並大抵じゃないですよね。
ま、それはともかく、またまた例のオヤジのところに行って、飛ばすには何が必要か教えてもらうとしましょう。まずは燃料、これあたりまえ。いろんな缶がならんでますが、今回は「コスモ・エアロスター15%ニトロ」を選んでみました。
やねうらべやから:あたりまえです。)
ラジコンの燃料って、大体ヘリコプター用と飛行機用に分類されています。主に、オイル(潤滑剤)の質や量によって分かれているんです。ヘリと飛行機では普通に飛ばす場合のエンジンの回転数や条件が違うので、その状況に合わせて調合してるんですね。ま、適材適所の考えです。
コスモのラジコン燃料。缶の注意書きは充分読んでおきましょう。 |
コスモさんの場合「コスモ・エアロスター15%ニトロ」はその名が示すように飛行機用です。「エアロバティック」の“エアロ”を商品名に使っているわけですね。同様に「コスモ・ホバースペシャル」はヘリ用で、“ホバリング”のホバーの名を取っているわけ。わかりやすいでしょ。 |
ラジコン燃料は実際の車や飛行機の燃料とは違う
さて、飛ばす前の基礎知識も必要ですから、ラジコンの燃料についてもう少し踏込んで解説しましょう。
ラジコン燃料って、ホンモノの車や飛行機と違い主成分がアルコールなんです。専門的には「グロー燃料」といいます。 一方、ラジコンエンジンもまた、ホンモノの自動車のガソリンエンジンとは違うんです。プラグが「スパーク・プラグ」じゃなくて、白金(宝石に使われる、あのプラチナです)の小さなコイルを使って点火する方式なんですね。そして、これを「グロー方式エンジン」っていうんです。だから、燃料の名称も「グロー燃料」ってワケ。 |
ラジコンエンジンのいろいろ。グローエンジンともいいます。同じ23ccの排気量でもこれだけ大きさが違います。 |
話を戻します。ところで、なぜラジコン燃料にアルコ-ルを使うのかご存知? その答えは、「取り扱いやすさ」、「安全性」、「ラジコンエンジンの構造」などの諸条件を満たしているから。そして、そのラジコン燃料はメチル・アルコール(略して、メタノールともいう)とオイル(潤滑剤)、パワーを上げるための「ニトロメタン」の混合物でできているんです。
アルコールっていっても“飲む”アルコールじゃありません。飲むのは“エチル・アルコール”(エタノール)です。飲むとエッチになるアルコールですね(笑)
(やねうらべやから:たしかに。)
ラジコン燃料の主成分は、飲むと“目散る“アルコール、すなわち、“メチル・アルコール”です。戦争中や戦後の酒不足のときにこれを飲みすぎて、目がつぶれた人もいたそうですね。どうやら、視神経が侵されるとのこと。
だから、安全性が高いっていっても、充分な注意が必要になります。
なぜ、“エチル・アルコール”にしないかっていうと、イモやお米やとうもろこしなどの穀物から手間をかけて作られるので、どうしてもコスト高になるから。
おまけに、飲むアルコールには税金(酒税)がかかるんですね。
これは空を飛ぶラジコン飛行機にゃ、まったくのムダであります。(工業用として石油化学から造られるものもありますが、やはりメチル・アルコールに比べ値段は高くなるようです。)
ま、ラジコン燃料がウオッカでもおかしくはないけど・・・。もったいないか。一方の“メチル・アルコール”は、天然ガスからつくられ、採れる量も多いので安価なんです。
オ・ト・ナのための化学講義
うぉっほん。じゃあここで、昔習った、化学の授業をいたしましょう。コラ!居眠りしない!(笑)
メチルもエチルも、あのヤヤコシイ亀の甲の図式じゃ似たりよったりで、いわば兄弟みたいなもの。化学式では、ラジコン燃料の“メチル・アルコール”は、CH3OHで、炭素と水素から合成されてるんです。飲むといい気分になる“エチル・アルコール”は、C2H5OHで、基本元素はおんなじ。組み合わせが違ってるんですね。
補足すると、メチルもエチルもC=炭素、H=水素、O=酸素の結びついたものってコト。小さな数字はその“酸素くん”や“炭素くん”の数ね。それで、おたがいの元素が手をつなぎあってるんだけど、要するにメチルとエチルではそのつなぎ方と数が違ってるってことなんです。
では、なぜガソリンじゃないかわかります? その理由を簡単に説明すると、アルコール燃料の場合、空気の量のバランス(空燃比)が結構いい加減でも運転できるからなんです。 また、ラジコンエンジンは小さいので、キャブレター(気化器:燃料と空気を混ぜる装置)が簡単にでき、重量や構造も小さくできます。 |
ガソリンエンジンとグローエンジンのキャブレターの違い。 |
さらに、アルコールは取り扱いにおいてガソリンよりも引火点が高いぶん安全性は比較的高く、万一の場合でも火がつきにくいんですね。とはいっても火気厳禁ですよ。ストーブの側に置いたり、くわえタバコなんて、もってのほかですネ!
2サイクルでも4サイクルでも混合燃料!
次に「オイル」のハナシ。潤滑剤ともいいます。「夫婦間の潤滑油」なんて、慣用句的にも良く使われますよね。そうしたエンジンのオイルには、大きく5つの作用があります。
摩擦を少なくする“潤滑”、エンジンの圧縮漏れを防ぐ“密封”、それからエンジンを冷やす“冷却”、エンジン内部を掃除する“清浄”、そしてエンジンが傷まないように摩耗を抑える役割などがあります。
少ない量でこれだけ活躍するモノも他にありませんね。つまり、“エンジン”ってーのは、燃料だけでは運転できませんぜってこと。ドアのちょうつがいも、自転車のチェーンも、このオイルがなくちゃ、役に立ちません。
ラジコン燃料には、一般的に“化学合成オイル”が多く使われています。昔は植物の“ヒマ”の種からとった“ヒマシ油”という植物油を使っていたんですけど、技術の発達と共に化学的に合成させたオイルが広まるようになりました。
性能も良くて汚れにくく、品質も安定しているんです。そして、まさにこのオイル配合こそ各燃料メーカーさんのノウハウであり、“企業秘密”でもあります。ちなみに飛行機用燃料のオイル量は、だいたい全体の20-25%(重量比)くらいです。
さて、小さなバイクや草刈り機に使われている2サイクルエンジンでは、オイルとガソリンを混合した“混合燃料”を使います。クルマに多い4サイクルエンジンでは、ガソリンとオイルは別でよくオイル交換をしますよね。
ところが、ラジコン燃料では、2サイクルエンジン、4サイクルエンジン共に、ほぼ全てオイルとアルコールを混ぜた“混合燃料”を使います。出来るだけ構造をカンタンに軽くしたい、というのがその理由。“混合燃料”を使えば構造をカンタンにでき、オイル交換の手間も省けるからなんですね。
ラジコン飛行機はその長い歴史を経て、オイルを約20-25%混合された“混合燃料”が最も使いやすく、調子がいいように出来ているんです。確かにガソリンエンジンの“混合燃料”には、1:50くらいの量のオイルでいいんですが、ラジコン用のアルコール燃料との比較にはなりません。全く方式の違うエンジンを比較しても、意味はありませんからね。 |
ラジコンは4サイクルエンジンも混合燃料。 |
パワーの源、ニトロメタン
次は、耳慣れない「ニトロメタン」のオハナシ。これは、ラジコン燃料の燃焼を助ける役割で添加される成分で、カンタンに言えば、“パワーの源”とでもいいましょうか。
名前だけ聞くと、よくアクション映画なんかで出てくる「ニトログリセリン」を想像しそうですよね。でも「ニトロメタン」って、同じニトロ基類で危険性はあるんですが、よっぽどでない限り衝撃を与えて爆発するような事はありません。
そうそう、ドラッグレースでも、ラジコン燃料同様に「ニトロメタン」が燃焼促進剤として使われているってご存知ですか? ラジコン燃料の場合、更に比率の高いアルコールと混ぜることでより安全に使えると言えるんですね。
だいたい、5%きざみに商品があって、その量で燃料の値段と性能(パワー)が決まってきます。つまり、多いほど“力”が出るけれども、値段も高くなるというワケ。まあ、今回のような練習機に使う場合では、コスモ・エアロスター15%かコスモ・スカイマスター20%が一番使いやすく、値段も手頃です。
さあ、これで私の化学の授業はオシマイ。堅苦しく考えないでいいんですが、“燃料”を扱うんですからキチンとした知識も必要です。どう? “ラジコン”っていろんな勉強が出来るでしょ。あ、前回言ってた飛行場のオハナシは今度ゆっくりと。んじゃ、次回もよろしく!
グロー燃料についてもっと詳しく知りたーい、という方は、アカデミックに解説してくれている「ラジコン燃料のヒミツ」も読んでみてね!

















