その1 青空に見つけた夢、ラジコン飛行機!    

嗚呼、素晴らしき哉ラジコン飛行機:

今日は非常にいい天気なので、私は久しぶりに散歩に出掛けた。川原をぶらぶらと歩いていると、上空から何かエンジンの音らしきものが聞こえてきた…




嗚呼、素晴らしき哉ラジコン飛行機!!

 今日は非常にいい天気なので、私は久しぶりに散歩に出掛けた。川原をぶらぶらと歩いていると、上空から何かエンジンの音らしきものが聞こえてきた。

 「何だ、この音は?」音のする方向を見上げると、小さな飛行機が一機、青い空に浮かんでいた。よく見るとそれはラジコン飛行機だった。いろいろな方向に自由自在に飛ぶその姿は、まるで曲芸のようだ。しばらく私は立ち止まり、その光景に見入ってしまった。

 家に帰っても、あのエンジンの音と空を舞う姿が忘れられない。思わず息子をつかまえ、「今日、川原でラジコン飛行機を見てきたぞ」と話をした。「あんなふうに自分も大空に飛行機を飛ばしてみたい!」…今や私の心境はそこまで到達していた。

 「ラジコン飛行機ほしいな」まぶたの裏に浮かぶのは、かっこよくラジコン飛行機を操縦する自分の姿だった。「でも、ラジコンって全然わからないしな。そもそも最初に何を買ったらいいんだ?」

 すると息子が、「そういえば、友達のお父さんがラジコンやっているよ。聞いてみたら」と教えてくれた。面識がないので、さすがに最初は少しためらったが、息子に電話をしてもらったところ今日は家にいると言う。さっそく伺うことにした。


おじさんに“先生”ができた日

 夕方、そのお父さんを訪ねていった。部屋に案内されると、まず目に入ったのがずらりと並んだラジコン飛行機たち。まず、その数の多さに驚いた。

 いろいろラジコンの話を聞いていると、初めて耳にするカタカナの単語がポンポン出てくる。なんだか専門用語が多くてよく分からないな。ラジコンって難しいのかな?

 私の好奇心が一瞬しぼみかけたその時。「来週川原の飛ばしに行くので、一緒に行きませんか」とのお言葉。そうだ。これからはこのお父さんを“先生”と呼ぼう。私は心の中で密かに誓った。


高まる期待と一抹の不安と

 ラジコン飛行機を初めてちゃんと触る日がやってきた。「大丈夫かな」と思いながら先生の家に向った。先生の家に着くと、先生はもう玄関先に車を出してラジコン飛行機やその他諸々を手際よく積み込んでいた。「えっ、こんなにいろいろな物を持っていくの?」ステーションワゴンの荷台が、あっという間にいっぱいになった。

 さて、2人で車に乗り込むと、ほどなく川原に到着。先ほど積んだ荷物が次々と車から降ろされた。さっそく飛行機の組み立てから始まった。と言っても私は見ているだけ。実際に組み立てるのは先生ひとりだ。

 エンジンに燃料を送り込み、エンジンを回す。この作業には、いろいろな装置・機具が使われた。その数の多さには改めてびっくりだ。

 先生は飛行機を組み立てながら、注意する点をいろいろ教えてくれた。うーん、こうやって見ているだけでも、覚えておかなければいけない事がいっぱいある。大丈夫かな。


初フライト、さて結果は…

 まずは、先生のお手本飛行だ。先生の飛行機は手投げから飛ばすタイプで、エンジンの音と共に空高く舞い上がっていった。飛行機は気持ちよさそうに上空にグングン昇っていく。そして、先生は飛行機のいろいろな「動き」を見せてくれた。

 「あのくらい高かったら、自分でもできるかな? 邪魔するものもないし。」そんなことを考えながら、手ぶらのまま飛行機を見上げていると、先生がにっこり笑いながら「せっかくだから、飛ばしてみます?」と送信機(プロポと呼ぶ)を渡してくれた。

 ついに、私の操縦で飛行機を動かすのだ! 嬉しかったけど、正直なところ不安でいっぱいだった。もちろん飛行前の準備の時には、「プロポのレバーの動きによる飛行機の反応」について十分教えてもらっていたが、いざレバーを動かそうとすると手が動かない。動いたときには、いっきに動かしてしまう。

 案の定、まっすぐ飛行しているときは、これといってプロポのレバーを動かす事はないから大丈夫だったが、旋回をさせようとすると上手くいかず、機体が降下しはじめたり、自分の所からどんどん離れていってしまう。

 「どこにいくんだ。そっちじゃないだろー」こんなカンジで、まずいと思ったら先生にプロポを渡して元に戻してもらう事の繰り返し。楽しかったけど、すごーく疲れた。でも、まずは真っ直ぐだけでも、自分がプロポを握った飛行機が空を飛ぶのは嬉しいものだった。

 結局、最後は先生が私の後ろに回り、プロポのレバーを一緒に動かしてもらって飛行を繰り返した。補助はあるものの、自分の手で飛行機を飛ばすのはとても気持ちが良い。

 こんな事を繰り返すうちに、やはり先生の飛行機ではなく、自分だけの飛行機がほしい、ひとりで飛行機を飛ばせるようになりたい、そう思うようになっていった。

 そこで、飛行が終わって片付けをする際に、最初に購入する飛行機はどのようなものがいいかを先生に相談してみた。すると、「最初は初級者向けの練習機から始めるといいよ」とのこと。そして先生は、今度行きつけの模型店を紹介するから一緒に行こうと誘ってくれた。


「我がラジコン飛行機」第一号をゲット!

 今日は先生と一緒に模型店へ出掛けた。私だけの飛行機がついに手に入るのだ。模型店では、いろいろあって迷ってしまったので、店長に相談して初心者用の機体、エンジン、プロポ、その他初心者用の必要部品を見つくろってもらった。「へー、こんな部品まであるんですか」部品の種類の多さにはつくづく感心した。

 さてレジに向かうと、一緒に保険に加入することになった。ふーん、ラジコンをやるのに保険に入るなんて知らなかった。でもよくよく店長の話を聞けば当たり前かなと思う。何かあってからじゃダメだからね。

 ヨッシャ、これは私の飛行機だ。でも飛ばす事ができるかな? それ以前にちゃんと組み立てられるかな? 実は、私は小さいときから不器用なのだ。不安だ…。

 さて次回は、機体組み立てにチャレンジだ。

撮影協力:スカイホビー