Vol.6 市販グロー燃料の種類    

グロー燃料の成分はどの商品も基本的には、主燃料のメタノール、燃焼を促進させるニトロメタン及び摩擦を低減するオイルの3成分から構成されており、各商品の特性(飛行または走行性能)の相違は、オイルの種類やオイルの粘度及び量、ニトロメタン量の違いなどでほぼ決定します。



Vol.6 市販グロー燃料の種類

◆市販グロー燃料の種類と傾向

最近では燃料メーカーやキットメーカー等から、多種多様なグロー燃料が発売されておりますが、ユーザーにとっては一体何を基準に選んで良いのか迷ってしまうほど多くの商品が氾濫しています。

しかし、グロー燃料の成分はどの商品も基本的には、主燃料のメタノール、燃焼を促進させるニトロメタン及び摩擦を低減するオイルの3成分から構成されており、各商品の特性(飛行または走行性能)の相違は、オイルの種類やオイルの粘度及び量、ニトロメタン量の違いなどでほぼ決定します。

グロー燃料の成分 

1. メタノール

2. ニトロメタン

3. オイル

4. 添加剤

またメーカーによっては、更にごく微量ですが、汚れや錆の発生を防止する目的で各種の添加剤を加え、エンジンの耐久性を向上させて他社品との差別化を図っている商品も見受けられます。

燃料成分と特性変化の要素 

1. オイルの種類

2. オイルの粘度

3. オイルの量

4. ニトロメタンの量

グロー燃料の分類 

1. 空物

2. 陸物

3. 水物

現在、国内で入手可能なブランドはおよそ20種近くあるようですがジャンル別に分類すると、空物(飛行機及びヘリコプター用)、陸物(自動車用)、水物(ボート用)があり、それぞれが更に、オイル粘度の違い、オイル量の違い、ニトロメタン量の違い等で商品化がラインナップされています。その傾向を示すと概略下記の様になります。

◆グロー燃料の種類とオイルの傾向

空物の飛行機とヘリコプターの燃料は、一般の使用では兼用で使われることもありますが、よりレベルの高い飛行性能を追求すると、そのエンジンの使用される条件に適合した「飛行機専用燃料」と「ヘリコプター専用燃料」に分かれ、それぞれの商品が開発されています。

空物の種類 

1. 飛行機用燃料

2. ヘリ用燃料

3. 飛行機・ヘリ兼用燃料 

4. 競技用燃料(F3A,F3C)

潤滑油の種類としては、主として合成油(PPG)が使用されており、飛行機用燃料のオイルは、粘度が中程度で、量が15~25%程度。ヘリコプター用燃料のオイルは、飛行機と同じかやや粘度の低いオイルを使用して、やや量が多めの18~30%程度の量が入っている様です。但し最近では、環境問題に対応した「低オイルグロー燃料規制」(2001年度F3A・F3C日本選手権本戦時に使用義務)が決定し、徐々にオイル量10%の「低オイルグロー燃料」が商品化されています。

陸物の自動車用燃料では、レーシングカー用として「ハイパワーで高回転が可能な燃料」、ツーリングカー及びバギーカー用としては「スロットルレスポンスが忠実でエンジン調整がし易い燃料」が求められ、それぞれ専用の商品が開発されています。

陸物の種類 

1. レーシングカー用燃料 

2. バギーカー用燃料

3. ツーリングカー用燃料

潤滑油の種類は合成油とひまし油が使用され、それぞれ単独または組み合わせて処方されており、空物よりも比較的粘度の高いオイルが使用されています。レーシングカー用のオイル量は7~12%程度。ツーリングカー及びバギーカー用ではレーシングカーと同じかやや粘度の低いオイルを使用して、やや多めの10~18%程度の量が入っているようです。

水物のボート用燃料は、主としてスピード競技用として位置づけされている商品が多く、商品特性の違いは潤滑油の種類や量よりも、ニトロメタンの含有量の多少で決められていることが特徴ですが、パワーをあまり必要としないスケールボート用等にはニトロメタン量の少ないボート用燃料や自動車用燃料が使われているようです。

水物の種類 

1. スケールボート用燃料 

2. 競技用燃料

潤滑油の種類は、合成油とひまし油が使用され、それぞれ単独または組み合わせて処方されており、自動車用よりも粘度がやや低いオイルが15~25%程度入っているようです。

厳密ではありませんが、グロー燃料の種類とオイルの傾向を下図に示します。

燃料の種類とオイル粘度の傾向

燃料の種類とオイル量の傾向

◆グロー燃料の種類とニトロメタン量の傾向

古くからニトロメタンの含有量は、各社の商品説明で唯一明記されており、ユーザーが同じ用途の商品群の中から目的の燃料を選ぶ際の目安になっています。

ニトロメタンは、主燃料であるメタノールの燃焼を促進させる働きをする「燃焼促進剤」で、これを多く含む燃料ほど爆発力が強くなり、エンジン出力が大きくなります。同時にニトロメタンは原料価格が非常に高価なため、ニトロメタンの含有量が多い燃料ほど市販価格が高くなります。そのため、市販燃料のニトロメタン量の設定は、エンジン出力と経済性の両面から決められているようです。

市販品のニトロメタン量としては、

飛行機用
ヘリ用
自動車用
ボート用
5~30%
15~30%
20~30%
30~75%(但し、長距離ボート用では0%)

の範囲に収まっているようです。

一般的にユーザーが燃料を選ぶ際、ニトロメタン量を決める基準は、初心者やベテランが経済的にラジコンを楽しむ場合には、比較的ニトロメタン量が少ない経済的な燃料を選択し、競技者がレースやコンテストへ出場する場合には、ニトロメタン量が比較的多いパワーのある燃料を選択することが多いようです。

また、飛行機やボート競技へ出場する超ベテランの中には、その時折の気象条件(気圧、気温、湿度等)に合わせて、常に最適なニトロメタン量を選択し、エンジンパワーを厳密に調整している選手も見受けられます。

グロー燃料の種類とニトロメタン量の傾向を下図に示します。

燃料の種類とニトロ量の傾向

これまでの説明(Vol.1~Vol.6)で、グロー燃料の基本的な事柄を色々と話してきたのじゃが、皆さんにはどうだったかのぉ。具体的には、燃料の燃焼の仕方、燃料の化学的・物理的な意味合い、燃料の処方と働き、市販燃料の傾向について話を進めて参った。

とくに始めからすべて読んで貰った人の中には、「グロー燃料への興味が深まった」、「あまり分からなかった」等、いろいろな感想があるかと思うのじゃが、次回の参考として、是非とも読まれた感想をメールして貰えたら幸いじゃ。